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自動車:車室内風切り音

風切り音の内部情報を得る

車室内騒音レベルを低減しドライバーと乗員の快適性を向上させることは、自動車メーカーの音響エンジニアにとって重要な課題の1つとなっています。パワートレイン、タイヤおよびロードノイズが大幅に低減されたことにより、風切り音が高速走行時の主な騒音源になりつつあります。J. D. パワー・アンド・アソシエイツの初期品質調査によると、風切り音は車に関する顧客不満の第1位に常に挙げられています。これは、顧客のブランドロイヤリティーや販売に直接影響をおよぼすことを意味します。高い品質を維持するには、長い設計期間と製品コストを投入して、車室内の騒音ターゲットを達成しなければなりません。一般的に自動車メーカーでは、高品質の検証用プロトタイプが完成する開発プロセスの後期まで、風に起因する車室内騒音を評価することができません。この時点ではすでに、騒音課題を効率的に解決することはできず再設計が必要となり、これらの解決法はすべて高価で時間もかかります。関連コストを削減するとともに、開発期間も短縮するために、開発プロセスの初期段階と車両ライフサイクルを通じて使用できる、信頼性の高い数値予測技術が強く望まれています。


左グラフ:車室内SPL dB(赤)の測定値とPowerACOUSTICSによる予測値(黒)を比較した、 車室内騒音グラフ

右グラフ:PowerACOUSTICSにより予測された車室内風切音と、30のテストケースによる500~4000Hzオクターブ帯域での実験結果を示す相関図

             

技術課題


高速で走行している車両では、車室周りのパネル上

(ウィンドウやウィンドシールド)の乱流渦による直接的な圧力変動と、流体中で発生した音場による圧力変動が作用します。車室内に伝わる騒音源は、カウル、Aピラーのオフセット角、ミラーなどのさまざまな車体形状の特性から生じる流れの剥離や渦によりもたらされる、複雑な非定常の流れ構造です。車室内の騒音源を精度よく予測するには、時間により変化する流れ構造と、キャビン表面に生じる広帯域壁面圧力変動(WPF)に対するソリューションが必要です。広範囲にわたる多様な長さスケール(波数スペクトル)の乱流が起因するパネルの微振動や音響特性を高精度に予測することは、技術上の大きな課題となっています。車外の音響場から車内への音の透過は、乱流壁面圧力の大きさが音響圧力をはるかに超えた場合でも、音響/構造におけるコインシデンス周波数近傍ではとりわけ重要になります。

ソリューション

弊社のPowerFLOWソルバーとPowerACOUSTICSを連成させることで、車室内騒音としてドライバーに聞こえる風切り音の寄与度を予測することができます。PowerFLOWでは、騒音の主要な発生源となる流れ構造(フロントガラスに直接影響するAピラー渦や、ドアミラー、その台座・取付けカバーなど)の高精度予測を含む、車両周りの非定常流れを予測します。PowerACOUSTICSでは、パネル上のあらゆる箇所のタイムドメイン圧力シグナルが構造的な入力に変換され、キャビン内の騒音を予測する高速の統計的エネルギー解析(SEA)モデルに対する入力として用いられます。この手法は、車室内のドライバーおよび乗員の耳位置において、各パネルからの風切り音の寄与度を定量化します。予測されたスペクトルを音声ファイルに変換することで、様々な設計オプションの効果を音で比較することができます。弊社のソリューションを活用することで、プロトタイプでの実験結果以上に、主要な乱流構造と対応する車室内騒音源の挙動を把握することができます。これにより、目標とする形状へ設計を改善することができます。この業界初の機能により、車両設計の風切り音特性に関連する外部形状の変更、ガラスの特性、車室内の音響パッケージの変更などを含む、可能な騒音低減策を、開発プロセスの初期段階 - コストのかかる物理モデルやプロトタイプが完成する以前に分析することが可能になります。


上記:ドライバーの耳位置における騒音レベル(赤は実験値、黒はPowerACOUSTICSの値)

EXA SOFTWARE USED FOR THIS APPLICATION

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Simulation: